「屋上から見た花火は球体だった。今度お前さんが来るときに天気がよければ,屋上から景色を見よう。」
干支を今年からちょうどひとまわりさかのぼった年のことです。
学生時代の恩師が入院しました。私にいろいろな視点でものごとを見ることを教えてくれた恩師。仲の良い同級生やもうひとりの恩師には言わないでくれと固く口止めされて、ひとりで電車に揺られてお見舞いに。
そのときに恩師が少し前にあった、地域の花火大会のことを話してくれました。
屋上から花火がよく見えた。花火が球体なのをはじめて知ったよ。と
いろいろ話してお暇する直前、恩師が言ったのが冒頭のことば。
結局そのお見舞いが恩師との別れになりました。
花火の思い出はいくつかあるものの、実際に見ていない花火のことが今の私の中では一番最初に思い出されるのです。
koruri